多くの患者を末期がんから生還させた男の奇跡のストーリー

弟の分まで親孝行することを決意

弟の分まで親孝行することを決意

当時の私は、ビジネスに成功し、経済的にも恵まれ、妻との交際も順調で幸せの真っただ中にいました。考えてみれば、そこにたどり着くまで、私の人生は決して順調とはいえませんでした。特に学校の勉強は嫌いでした。小学生のとき、友人たちは、先生の言いつけを守り、静かに授業を受けていたのですが、私にはそれができません。つまらない授業が我慢できなくなると、抜け出して家に帰ってしまうこともあったほどです。それは、中学生、高校生になっても変わりませんでした。いま考えれば、「やんちゃをしていたな」と思いますが、学校へはほとんど行かず、遊び歩く毎日だったのです。

そんなときに直面したのが弟の死だったのです。弟は私と正反対の性格でまじめでしっかり者でした。私のように親に心配をかけることもなく、両親にしてみれば自慢の子どもだったと思います。なぜ不良の私ではなく、弟が先に逝かなければならなかったのか。不合理というか、人生のはかなさというか、生きることと死ぬことは、遠いところにあるのではなく、すぐ隣にあることを何となく感じました。私自身も明日死んでしまうかもしれないのです。

そう考えると、やんちゃなどしている時間はありません。同時に弟の分までしっかり生きて、親孝行をしなければいけないと感じました。それから悪いことは一切やめました。そして、とび職人として働くようになったのです。一心不乱に働きました。人の2倍、3倍の仕事をするので、収入も人の2倍、3倍になりました。この仕事は自分に向いているかもしれないと思い、一時は親方になって、大きな仕事を引き受けようとも考えました。

しかし、当時の景気はあまりよくありませんでした。建築関係の仕事というのは景気の影響を大きく受けます。景気が良ければ公共事業も増えますし、家を建てる人も増えて、追いつかないほど仕事が来ます。しかし、景気が悪ければさっぱり仕事がなくなってしまいます。

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