多くの患者を末期がんから生還させた男の奇跡のストーリー

おわりに

おわりに

私は「病気は医者が治すのではない」と考えています。病院の治療効果は 25 %程度ではないでしょうか。それ以外の 75 %は、メンタル、食事、睡眠、笑い……さまざまなことが複合して病気を治しています。そのなかで家族が果たす役割は非常に大きいものです。特に、がんのような生死を左右する病気であればなおさらです。本書で繰り返し述べてきたように、がんと告知された患者は生きる希望を失ってしまいます。加えて、標準治療が始まると、抗がん剤などの副作用によって、苦しむことになります。
 
絶えず、吐き気や痛みに襲われていれば「もう死んでもいい」と考えてしまいます。そのほうが楽になれると思ってしまいます。がん患者は「自分のために生きる」気力を維持するのは難しいのです。その意味で家族の役割は非常に大きいのです。家族が励まし、治療のサポートをすることで、患者には「家族のために頑張ろう」「家族のために生きなければ」という気持ちが生まれます。家族のために頑張っているうちに、自分自身の生きる希望も取り戻していきます。
 
ただ、がん患者を家族として支えるのは簡単ではありません。家族自身も大きなショックを受けているなかで、次々とやるべきことが押し寄せてくるからです。心が折れそうになることもあるでしょう。患者にしても、家族にしても、がんと闘っていく上でメンタル面は非常に重要です。しかし、今の日本の医療では、患者や家族のメンタルのサポートは行われていません。私は、ヨウ素製剤によって、1人でも多くのがん患者を救いたいと考えていますが、そのために、メンタル面のサポートにも全力で取り組んでいます。それは私自身ががん患者の家族を経験したこと、そして、これまで数多くのがん患者の家族と接してきた経験がベースになっています。
 
がんで亡くなる人がゼロになることを目指して、これからも邁進していきたいと考えています。

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