多くの患者を末期がんから生還させた男の奇跡のストーリー

がんと診断されたあとは自殺リスクが高まる

がんと診断されたあとは自殺リスクが高まる

余命宣告にまったくの根拠がないとはいえませんが、患者にとって医師の言葉一つひとつは計り知れない影響力を持っています。余命数ヵ月と宣告されれば、多くの患者が信じてしまうでしょう。患者の頭の中は「数ヵ月」という期間でいっぱいになってしまいます。命の期限を突然に言い渡されるわけですから、平静ではいられません。ショック状態から抜け出すことは簡単ではありません。宣告を受けた途端に弱気、昨日までは元気に普通に暮らしていた人でも、医師に余命宣告を受けた途端に弱気になります。心の状態が体調に大きな影響を与えます。実際にがんと診断されただけで、体に不調をきたす人も少なくないのです。

さらに深刻な影響もあります。がんと診断されたあと、1年以内に自殺する人は少なくないとのデータがあるのです。国立がん研究センター「社会と健康研究センター」のデータによると、がんと診断された1年以内の自殺リスクは通常時の約24倍にも達するのです。自殺だけではありません。事故(外因死)で亡くなる確率も約19倍に増えています。この調査は、1990年と1993年に、全国10保険所管内に住んでいた40~69歳の約13万人を2010年まで追跡したのものです。がん診断と自殺および他の外因死との関連を調べました。

がん診断後の自殺

がんと診断されたことによる心理的ストレスは、診断後1カ月~数カ月以内で最も強いと考えられています。また、診断後1年以内はがんの発生やその治療によって、ライフスタイルが大きく変化します。さらにがんや治療による影響で認知・身体的機能や社会的機能の低下が考えられています。これらの要因が合わさり、がん診断後1年以内の自殺および事故死のリスクが高いと考えられています。がんと診断された人でも、これだけの影響があるのですから、さらに余命宣告をされた場合の影響は計り知れません。
 
家族は医師が安易な告知や余命宣告をしないように気を配ることが必要ですし、仮に告知や余命宣告をされてしまった場合には、その後の1年以内に自殺リスクや事故死のリスクが高くなることを理解して、患者のケアを心がける必要があるのです。

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